「パキータ」は一般的には2幕のグランパだけが行われるのが主流です。昔見た全幕パキータの繰り広げられるドラマが踊りを超えて面白く、ぜひこれを生徒みんなに経験してもらいたいと思い立ちラコット版のパキータを子供達にも踊れるように調整しながら仕上げました。
ロマの出のパキータがフランス将校のリュシアンと出会い恋に落ちます。リュシアンはフランスに恨みを持つスペイン総督のロペス、パキータに思いを寄せるイニゴによって暗殺されかけますが、パキータの機転によって難を逃れます。肖像画とペンダントによってパキータの出自が明らかになったり、政治的な駆け引きが裏で行われていたりとストーリーがとにかく魅力的でした。ご覧になった保護者の方からは映画のようだとコメントをいただけとても嬉しかったです。
肝心の生徒達は前回トゥシューズを履けなかった子もトゥシューズで発表会を踊り切り、達成感に満ちた顔をしていました。引っ込み思案で大丈夫かな?と心配していた幼児の子もいたのですが、保護者の方が興奮を隠せないほど立派に頑張ってすべてやりきってくれたり、客席で見ていたお友達も「私もできるかな?」と新たに目標を持ってもらえました。大変ではありましたが無事に幕が下り、それぞれに「コンクールに出てみたい」など熱意を新たにしてもらえたことが本当に嬉しかったです。